独身女、犬を飼う

独身ミドサー女、1LDK、犬と二人暮らし。

犬おばさんに、わたしはなる

わたしという人

今年、わたしは32歳になりました。
同世代の友人はもう結婚も出産も、人によっては離婚も再婚も経験しているような年齢。

一方のわたしは、ノンセクシャル
これについてはのちのち詳しく書くかもしれないけれど、簡単に言えば性欲がまったくといっていいほどない人間です。

女性の将来といえば幼いころからそういうものだと叩き込まれてきた、結婚→出産という人生の王道ルートを歩もうとしたとき、つまりは、その手前の「交際」で何度も躓くわけです。

ああなるほど、私に交際や結婚は、ほぼ不可能なのだと、そう自覚するまでに31年間もかかってしまいました。

 

こんな人間であると分かったからには、これからの人生を考えたときに見えるビジョンには限りがあります。

私はそのうちの一つを、縋る思いでつかもうとしている、今です。

 

犬おばさんに、わたしはなる!

実家の犬が死んだ。

1人暮らしをするまで8年間、毎日一緒に寝ていた、大事な大事な愛犬をペット火葬へ連れていき、空っぽの体で帰ってきました。
食事も喉を通らないし、仕事も手に付かない。
見かねた父が、結婚はおろか彼氏さえ欲しくなさそうな娘に、ぽろっとこぼしたのが、こんな言葉。

 

「もう、犬おばさんになれば?」

 

結婚にも興味がなさそうだし、そんなに犬が人生の中心にあるのなら、もうそこは突き詰めてしまって、次から次に犬を飼い続ける、犬おばさんになったらどうかと。

 

目の前が、ぱーっと開けたような気持ちになりました。

 

私の人生、これだ、と。
ひとりきりで生きていくことに漠然とした不安を感じて、無理に結婚しようと婚活をしたこともありました。
でも聞かれることと言えば、家事は得意か、得意料理は何か、仕事をやめる気はあるか、自分の両親の老後を頼めるか…まるで家政婦の面接をしている気分で。
孤独を恐れるあまり焦って結婚して職を諦めたり、共働きでも家事も育児もやる気のない男と結婚するくらいならば、 それならば…

 

犬と暮らしたほうが数千倍幸せなのでは??

 

自分のことは自分でやれるはずの二足歩行が家事を丸投げする気満々だと腹が立つけれど、四つ足の生物相手なら全て仕方ないし、愛おしい。
ちょっとぐらい家具を破壊されたり、おしっこを失敗されたとして、一生懸命作った食事に文句をつけられるより数倍マシなのでは?
食事に関して言えば、カリカリにちょっとトッピングをしただけで感動してくれるのだから、なおさら良い…!!

 

犬おばさんに、わたしはなる。ぜったいなる。

 

ペット不可マンションに住んでいたわたしは、すぐに引き払いの申し入れをして、
それから引越し先ペット可物件を決め、小型犬ケージを買った。

見習い犬おばさんの仕事は早い。
なにしろ、31年間も無駄にしたのだから。

 

「まに」を迎えたのは、その2週間後のことでした。

 

うちの子日記

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迎えたばかりのまにさん。1.4kg、4ヶ月。
耳のインパクトが顔に勝っていたので、見る人は皆、「なんていうか、耳が大きいね」と、本当に犬なのか疑わしい、といった顔で感想をくれます。
そういう私も、初見時の第一声は、「耳が、すごく、立ってる…!」でした。

そしてその耳、今も、すごく立ってる。

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お耳、ピーン!!